フィリピン教会

フィリピンの宗教事情はどのようなものなのでしょうか?

日本にいるとあまり分かりづらい現地の宗教事情を、在住者が解説します。

フィリピンの宗教の割合

外務省によると、フィリピンの宗教の比率は83%がカトリック、その他のキリスト教が10%、イスラム教は5%という比率になっています。

さらにミンダナオではイスラム教徒が人口の2割以上という結果でした。

フィリピンの宗教の歴史を辿ってみると、国が出来る前に一番最初に根付いた宗教はイスラム教でした。

その後スペインの植民地になり、キリスト教への改宗が一気に行われた為、現代までキリスト教徒が大半となりました。

フィリピンの宗教上のタブー

タブー
フィリピンでの宗教上のタブーは一体どういった物なのでしょうか?ここからご紹介していきます。

避妊・中絶

フィリピンの人口は日本と真逆でどんどん子供の出生率が高くなっています。

その背景には、フィリピンの宗教の教えがあります。

子供=神からの授かりものという認識の為、フィリピンの教会側が避妊や中絶をタブーにしています。

浮気・離婚

フィリピンでは未だに一度結婚すると法律上は離婚が出来ません。

離婚意外に、裁判を起こして別居という形にもなれますが、この場合莫大な料金や時間が掛かります。

さらに、浮気をした場合訴えられ、逮捕される可能性がありますのでご注意下さい。

宗教について意見する

宗教や彼らの信仰に否定的な発言をするのはタブーです。

彼らは彼ら自身の宗教の教えを尊重し、他の宗教も尊重しています。

彼らの宗教に何か突っ込みたくなっても、グッとこらえる事がトラブルも起きないので吉です。

神は存在しないと言う

ほぼ99%のフィリピンの人が神の存在を信じています。

彼らに私は無宗教だ、神なんかでたらめだなんて言うと、神の存在を信じていない悪魔の崇拝者と言われるかもしれません。

フィリピンで来た場合は自分は仏教と言うのが無難でしょう。

イスラム教について

イスラム教と言うと、ISISやテロなどの偏見を持っている方は少なからずいるのではないでしょうか。

フィリピンでは市場などに行くと、沢山のイスラム教徒の方が見かけられます。

殆どのイスラム教徒の方は、世間が思っているイメージとは全く違い、穏便でむやみに他人を傷つける事をしません。

フィリピンで一番イスラム教徒が多いのがミンダナオ島のマラウィで、最近までイスラム教の過激派とフィリピンの軍隊が抗争していました。

こちらは大変危険なエリアになっており、マラウィ周辺のエリアにも立ち寄らないようにしましょう。

カトリック教について

80%以上の人がカトリック教徒のフィリピンでは、カトリック系の学校や病院が多く存在しています。

カトリック系の学校では、毎月一回学校の体育館や教会で生徒と教員と共にミサをしたり、聖書について勉強する授業があります。

また、カトリック系の病院では修道女が常勤しており、心のケアなども行っています。

病院内で、患者が危険な状態になるとお祈りがアナウンスされ、人々は立ち止まり患者のためにお祈りを捧げます。

その他には患者の部屋の壁には十字架が飾られています。

フィリピンで主な宗教イベント

フィリピン 宗教イベント

フィリピンでは宗教関係する祝日や祭典が非常に多いです。次は、フィリピンで代表とされる宗教イベントについてご紹介していきたいと思います。

ラマダン

ラマダン期間にイスラム教の人々は日の出から日没まで間断食をします。断食以外にも性行為や飲酒も禁じられるそうです。ラマダン期間中やその前後には、世界各地で多くのテロ事件が発生しているので、注意が必要です。

ホーリーウィーク

ホーリーウィークとは聖間という意味で、木曜日のホーリーサーズデイから始まり、金曜日はキリストが処刑された日の為、神がいない日と信じられています。そして土曜日はブラックサタデーと呼ばれ、喪に服す日とされています。

日曜日がイースターサンデーと呼ばれ、神が復活した日です。ホーリーウィーク前になると神の復活を祝うためのパーティをする為、買い溜めをし始める人が増えます。

金曜日になると、スーパーの営業時間が短くなり、土曜日には殆どのお店が閉まる事になります。ホーリーウィーク前には買い物に行く事を忘れないようにしましょう

イースター

イースターはキリストが復活した事を祝う祭典で、自分自身を犠牲にし人々を救ったキリストを称える様な祭典でもあります。信者たちはキリストへの思いが高まり涙を流したり、自らの事を鞭で叩く人が出てきます。

その他にも、実際にキリストが行った様に、自分の体を十字架に打つ人などもいる超過激な祭典です。

アッシュウェンズデイ

直訳で灰の水曜日という意味で、教会で灰の十字を付ける祭典です。額に記された十字を自ら拭いて取る事が出来ません。灰は自分はキリストのしもべである事を表しており、灰を書かれたまま会社や学校に皆行きます。

ブラック・ナザレノ祭

こちらもカトリック教徒のお祭りで、黒いキリストの像が街をパレードするお祭りです。ただのお祭りかと思いますが、何千人ものカトリック教徒が黒いキリスト像の触れようと、群れ上がります。

何故かというと黒いキリスト像はキリストが宿っていると言い伝えられており、触れると奇跡が起こると信じられているからです。ブラック・ナザレノ祭当日には、沢山の道路が閉鎖され酷い渋滞が起こるのでご注意下さい。

まとめ

フィリピンの宗教事情について、いかがだったでしょうか?

内容をまとめてみると・・・
•フィリピン人のほぼ全員が神の存在を信じている
•法律なども宗教をベースにされている
•国中で宗教の祭典を行う
•宗教イベント中や期間前後には注意を

私は個人的にフィリピンに移住して宗教についての見方が変わりました。

フィリピンで宗教の力や生活にしみ込んだ宗教の教えを目の当たりにし、人間にとって宗教は本当に必要な物なんじゃないかと思い始めました。

日本にうつ病などを患っている人が多いのは、もしかしたら宗教的な問題もあるんじゃないかなと思った気がします。

フィリピンの方は気分が落ち込んでいると、これは神様がくれた人生のチャレンジなんだ!と思い、立ち直りが凄く早い人が多いです。

フィリピン人の口癖のBahalana(何とでもなる)は神様がいるからきっとうまくいく、という意味を持っているのかもしれませんね。

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