
海外へ渡航する際に必要となるのが滞在する国のビザです。
海外旅行をしたことがある方の中にはビザを取得せずに入国したということもあるでしょうが、それはとある制度を利用しているからなのです。
そこで今回、このページではフィリピンのビザについてご紹介します。
ビザについて意外と知らない人が多いので移住をお考えの方は是非フィリピンのビザ事情について詳しく知りましょう。
フィリピンのビザについて
フィリピンへの入国の際、観光目的の方で30日間以内の滞在であればビザの取得は必要ありません。
旅行で訪れる方の殆ど全てがビザの取得は必要なく、入国の際にパスポートにツーリストビザとしてスタンプが押されます。
セブ島やフィリピンの首都であるマニラを訪れた方も多いかと思いますが、この観光ビザ制度が始まったのは2013年8月1日からのことで、実はつい最近になって整備されたのです。
但し入国時にも条件があり、パスポートの残存期限が滞在する日数から+6ヶ月以上あることが条件で、この条件を満たせない方は入国出来ません。
パスポートの有効期限内であれば入国が出来ると思っている方がいますが、フィリピンに限らず殆ど全ての国では6か月以上期限を残していることが条件となっています。
必要な書類は30日以内にフィリピンを出国することが確認できる航空券・旅券だけで、審査もありませんので長期滞在以外の旅行会社のツアーを予約したり個人でチケットを取得しての旅行は問題ありません。
また、30日以上の滞在を希望される方は滞在期間を延長最大59日間まで伸ばせるツーリストビザを出国前に日本国内にあるフィリピン大使館領事部にて手続きを行って取得する必要があります。
日本国内で取得する場合は無料ですが、現地で30日間の滞在から59日間の滞在に変更する場合は有料となっています。
現在は在日フィリピン大使館だけでなくインターネットからも受付を行っていますので、ご自身のやりやすい方法で申請しましょう。
ここまでは観光者向けのビザ事情ですが、一般的な旅行客であればビザについて心配しなくても大丈夫です。
しかしフィリピンへの移住を考えている方は観光用のビザではなく、移住が前提となるビザを取得しなければいけません。
日本国内には東京都港区六本木にフィリピン大使館・領事部があります。
開館時は月曜日~金曜日の午前9時から午後6時となっていますのでビザの申請の際には利用しましょう。
次は移住する際に利用するビザについてご説明します。
ロングステイ査証
フィリピンにコンドミニアムなどを所有し、住む場所がある場合に申請できるビザでSRVV(Special Resident Visitors Visa)と呼ばれています。
コンドミニアムを持っていないという方でもフィリピン退職庁が指定する宿泊施設を利用する場合もこちらのビザとなります。
SRRVのような預託金は必要なく、預金残高証明書などを提出する必要はありません。
一見するとかなり条件の良いビザに見えますが、滞在可能日数は原則1年となっていて、現地で更新が出来ません。
また、居住先に条件があるため予算との折り合いがつかなかったり、住んだ後から理想と違ってガッカリする人もいます。
事前にフィリピン退職庁がどのような施設を用意していて、自分はどこが一番良いのかなど詳しく調べる必要があります。
フィリピンへの移住が可能となるビザ
フィリピンへの移住をお考えの方に一番身近なビザとなるのが永住やロングステイを対象としたビザです。
フィリピンへ渡航するためのビザは全部で14種類もありますが、中でも移住を考えている一般人向けのビザは数種類しかありません。
まずは移住者を対象としたビザを見ていきましょう。
特別永住権査証
特別永住権査証はリタイアメントを対象としたビザで、35歳から取得可能な日本人だけでなく外国人にも人気のビザです。
特別永住権査証はSRRV(Special Resident Retiree’s Visa)とも略されています。
フィリピンの指定銀行に定期預金を預けるのが条件となっていますが、ビザを解除する際に全額返金されますので、取得しても損はないのが魅力です。
特別永住権には全部で3種類あり、ご自身の予算や目的などに合わせて選択が出来ます。
SRRV種類一覧
- 50歳以上は2万ドル、50歳以上の年金受給者は1万ドル、50歳未満は5万ドルの定期預金が必要となる「SRRVクラシック」
- 35歳以上を対象とし、一律2万ドルの定期預金を行う「SRRVスマイル」
- 介護や療養が必要な35歳を対象としている一律1万ドルの定期預金を行う「SRRVヒューマンタッチ」
基本的にこれらの特別居住退職者向けのビザには滞在日数制限がなく、事実上の永住権となっています。
申請をした本人はもちろんですが、配偶者又は21歳未満の子供を2名まで追加預託金なしで同伴させることが可能です。
夫婦でフィリピンに移住したい方はもちろん、フィリピンの学校に子供を通わせて第二言語である英語を習得させたいという場合も非常に便利です。
しかし3名以上になる場合は1万5千ドルの追加預金が必要なのでご注意ください。
また、こちらのビザによって永住権を獲得しても就労については許可がされていません。
フィリピン国内で働きたい場合は「外国人就労許可証」を取得する必要がありますのでフィリピン国内で働きたい場合は必ず申請しましょう。
これらの制度の違いは35歳から49歳、50歳以上で利用できる制度や金額に違いがあるという事です。
それぞれの制度には厳密な違いがあり、詳しく知らないと思わぬ損失を生む可能性もあります。
ちなみにフィリピン政府指定の銀行に預けた預金は申請者とフィリピン退職庁の共同名義になります。
次は上記の3種類のSRRVについて詳しくご説明します。
SRRVクラシック
6か月以上の定期預金を行うことが前提のSRRVクラシックは35~49歳は5万ドル・年金受給者ではない50歳以上は2万ドル・年金受給者の50歳以上は1万ドルと定期預金額が定められています。
これに別途年間360ドルの年会費が必要となりますので、毎年約4万円が掛かるとお考え下さい。
ですがSRRVクラシックにはメリットがあり、預金額5万ドル以上の場合に限って預金を投資に回すことが出来るのです。
現地でマンションやコンドミニアムの購入、住宅の長期リースをお考えの方もこちらの制度を利用すれば持ち家を買うことが出来ます。
しかし5万ドルは少しハードルが高いという方もいらっしゃいますので無理のない範囲で計画を立てることをおすすめします。
SRRVスマイル
SRRVスマイルを利用した場合の預託金はマンションや土地の購入などの投資に転換が出来ません。
お金を引き出せず、投資にも使えないので投資をする予定がある方はSRRVクラシックを利用した方が良いです。
35歳以上で2万ドルと言う誰でも取れる条件はとても魅力的ですが、SRRVクラシックよりも人気がないのは投資にお金が使えないのが理由です。
お金のある方には預託金を投資に使えるSRRVクラシックの方がおすすめです。
SRRVヒューマンタッチ
SRRVスマイルと似ていますが、介護や療養を目的とした人のみが申請できるもので、預託金は1万ドルとなっています。
35歳以上で条件を満たしている方であれば申し込みは可能ですが、年会費が360ドル(約4万円)がかかり、預託金は投資への転換は出来ません。
SRRVスマイルよりも金額の緩い制度だとお考え下さい。
ビジネスマン・投資家向けビザ
ビジネスをしようと思ってフィリピンへ移住する方だけでなく投資家もフィリピンへ移住する方が増えています。
ビジネスや投資を目的とした移住は制度がとても整っており、フィリピンは高度経済成長期にあるため、ビジネスチャンスと見て渡航する方も多いです。
仕事のためにフィリピンへの移住を考えている方向けのビザを見ていきましょう。
特別投資家査証
75,000ドルの株式投資を行う科コンドミニアム購入に投資をすると投資が継続されている限りフィリピンでの居住権と就労活動など生活に必要な権利を与えられます。
配偶者と21歳未満の子どもも同様にビザが発行されますので家族で移住も可能となっています。
年数による制限がありませんが、毎年の更新は必要となります。
また、家財道具などは関税法によって無税で持ち込めますので日本で使用していた家具などはフィリピンへそのまま持ってこれます。
フィリピンから投資を撤退してしまうとこのビザは自動的に消滅してしまいますので注意ください。
他にも犯罪を犯したことがない・精神病院に入ったことがないことが条件となっています。
特定産業投資査証
2003年に設けられた投資査証で、フィリピン政府が指定する観光関連プロジェクト・観光事業に5万ドル以上を投資している方が対象となります。
投資を引き揚げない限りは滞在が可能で、投資をし続けると実質無制限に滞在が可能です。
また、フィリピンのルソン島サンバレス州にあるスービック湾事由港区への投資は25万ドル以上の投資を対象としています。
スービック特別地区は経済特区に指定されている場所なので投資金は高額ですが人気はあります。
スービック特別地区のみ配偶者と20歳以下の子どもも同じビザの発給を受けられます。
条約投資家査証
日本・米国・ドイツの国籍を持っている人にのみ認められているビザで、フィリピンで会社を設立して持ち株が30万ペソ以上であることが条件となります。
もちろん就労が認められていますので、ご自身が働くのには何の問題もありません。
但し査証申請前に外国人労働登録証明書を取得しなければならないのでご注意ください。
申請者の家族も同じビザを取得できます。
条約投資家査証の申請に当たっては申請書や履歴書・会社との契約書・会社総務担当役員の証明書等の必要書類が非常に多いので、専門知識を持つアドバイザーも交えた入念な情報収集・準備が必要となります。
雇用創出特別査証
雇用創出特別査証は2008年11月に制定されたもので、Special Visa for Employment Generation(SVEG)と呼ばれています。
フィリピン人10万人の新雇用創出を目的に定められたもので、フィリピン人を10人以上雇用する人に「無制限滞在」を認めるビザです。
一見するとフィリピンで会社を経営際に利用すると、とても便利に見えますが10人を下回ってしまった場合は滞在資格を失ってしまいます。
フィリピン人の雇用数を10人以上にしなければならないためご注意ください。
フィリピン移民局の専用窓口にて受け付けています。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事ではフィリピンのビザについてご紹介しました。
フィリピンへ移住するために必要な永住ビザには多くの種類があり、多額の費用が掛かるものから留学ビザまで全て申請が必要です。
SRRVを利用しても就労ビザがなくては労働が認められなかったり、留学や短期滞在には細かく滞在期間や延長制度などが定められています。
ビザの申請には写真が必要となりますので、申請する際は必ず6か月以内に撮影したものをご使用ください。
また、ビザについて分からない事がありましたらフィリピン大使館へ相談すれば間違いなしです。