
フィリピンは数多くの島々があり、島によっても観光業が盛んで賑わっている場所・地元の人が漁業や農業をしつつ暮らしている島など様々です。
本土に至っても大都市マニラを離れれば長閑な風景が広がる田舎です。
フィリピンへの移住を考えているけれど田舎かマニラ近郊にしようか迷っている方も多く見受けられます。
そこで今回の記事ではフィリピンの田舎への移住についてご紹介します。
フィリピンの田舎・都会への移住事情
出典 : https://www.travelandleisure.com/trip-ideas/visiting-the-philippine-islands
フィリピンへの移住者は増加傾向にあり、実際に移住した方がブログやFace Book、Twitterなどで情報を発信しています。
田舎の生活を楽しんでいる方もいれば大都会マニラで優雅な生活を楽しんでいたり、フィリピンのセブ島やボホール島で暮らしている方もいます。
日記として自分の生活を綴っている人も居ますので、自分の行きたい島や地域の情報や都会の事情などを知るにはとても良いツールです。
しかし日記やSNSによる情報はその人が主観的に捉えた・感じたことを書き込んでいるため、必ずしも自分が訪れて同じ感想を抱くとは言えません。
都会への移住が多いから都会の方が暮らしやすい!田舎はのんびりしていて物価も安いから田舎の方が良い!など安易に決めてしまってはフィリピンへ移住した後に後悔してしまうかもしれません。
2017年の情報では長期滞在者の半数以上は日系企業を含む企業関係者とその家族が多く、仕事のためにフィリピンで暮らしているという事業が伺い知れます。
また、リタイアメントを対象としたビザでフィリピンへ移住し、生活をしている方は全体の20%程度と言われています。
意外と少ないリタイアメントですが、これは日本人男性とフィリピン女性の結婚により、男性がフィリピンへ移住するケースがあるからです。
良い一面を持っているフィリピンへの移住ですが、治安の問題や食の問題、言語の問題など様々な問題があります。
日本からフィリピンへ移住を検討している方は田舎にするのか、都会にするのかまずは決めることが大切です。
フィリピンの田舎と都会の違い
フィリピンの田舎と都会には大きな違いがあります。
日本のように田舎へ行けば店舗が大きなホームセンターやスーパーマーケットなどがあれば良いのですが、フィリピンの場合は田舎へ行くと本当に何もないことが多いです。
スーパーマーケットはありますが、品揃えも悪く日本人の味覚に合うようなアイテムは揃っていません。
しかし田舎へ行けば行くほど物価は安くなり、海に近い地域であれば市場まで足を運べばスーパーで買う価格よりも断然安い価格で魚介類を入手できます。
フィリピンはアジやサバ等の日本でも馴染みのあるお魚も獲れますが、日本のように暖流・寒流の両方に恵まれているわけではありませんので、日本の海域で獲れるものとは肉質が違います。
脂がのっていなくて美味しくないと感じてしまうので、新鮮だから美味しいというわけではありません。
旅行で一度地方を訪れて市場を巡る経験をしてみると良いかもしれません。
田舎と都会の違いを知る一例として食べ物事情についてわかりやすくご紹介しましたが、実は田舎と都会にはもっと違いがあります。
フィリピンの田舎へ移住する前に都会との違いを知りましょう。
衣・食・住
生活をする上で一番大切となるのが衣・食・住です。
衣類については田舎・都会問わずに買い込んでおけば大丈夫なので大きな問題にはなりません。
しかし田舎には衣料品店が全くありませんので、衣類のお買い物は基本的に都心の大きなショッピングモールで買って来ることになるでしょう。
もちろん衣類に関してはブランド物は高く、庶民的なお店であれば安価です。
ユニクロなど日本でも販売されているインターナショナルブランドは人気が高いですが、価格も少しお高めです。
食については先ほども少しご紹介したように都会のスーパーマーケットの方が圧倒的に品揃えは豊富です。
物流が整って輸入が簡単に行える世の中になったので、日本のスーパーでも見かける食材を購入することも出来ますし、日本からの輸入品もあります。
しかし輸入品には関税がかかるため、海外製品は基本的に日本と変わらない値段か、それ以上になっています。
地方へ行っても食材は手に入りますが、日本食の材料となるアイテムは基本的にそろわないと思った方が良いでしょう。
田舎でも牛肉・豚肉・鶏肉など慣れ親しんだ肉類は手に入りますが、野菜は見たことがないようなものばかりなので、自分でレシピを開発したりする楽しさを発見できる人であれば問題はないでしょう。
田舎で暮らしている日本人は日本から調味料を持ってきているという人も居ますので、工夫次第では食生活も楽しいものになるでしょう。
飲食店で食事を楽しみたい方もいるかとは思いますが、都心のショッピングモールで毎日のように食事を取っていると費用は当然かさみます。
日本と違う物価だからと外食をするのではなく、住んでいる家で自炊をすればそれだけ食費も抑えられます。
また、現地の人が食べるような屋台や飲食店は安さが魅力的ですが、無理に食べると食中毒の危険もありますのでご注意ください。
住居についてはとても難しく、都心・田舎問わず持ち家・賃貸によっても値段が変わります。
持ち家の場合は現地の大工や工務店に依頼して新築一戸建てを建てるのか、中古の売り家を買うのかでも費用に違いがあります。
土地・建物代・人件費などをトータルすると田舎の方が安くなりますが、工業製品は大都市から運ぶため、輸送費が掛かってしまうので注意が必要です。
輸送には数週間かかる場合もありますので入念な交渉・相談が必要になることも。
現地のフィリピン人大工さんに依頼する場合は一人当たりの日当150ペソ~200ペソで請け負ってくれるので、土地代・人件費は圧倒的に田舎の方が安くなります。
2018年現在は高度成長に伴って人件費は上がりつつありますが、それでも田舎はまだ人件費が目に見えるほど高騰はしていませんので第二の人生でフィリピンの田舎暮らしを自分の持ち家で体験してみたい方は地方の大工さんにお願いしましょう。
他にもココナッツの木やヤシの木など現地で調達が可能な木材を使う場合はさらに費用が抑えられるのでおすすめです。
持ち家の良い所はご近所関係も築きやすく、お友達が多く出来ることです。
しかし家を建てる場合は数ヶ月の時間がかかりますのでご注意ください。
賃貸の場合も日本と同様に田舎へ行けば行くほど家賃が安くなります。
田舎であれば特にこだわりがなければ十分に生活できるお部屋が月500ペソ前後で見つかることもあります。
しかし田舎は安い代わりに物件数が少なく、お部屋を見つけにくいというデメリットもありますのでご注意ください。
都心はもちろん家賃は高めですが、豊富な物件数にキレイな室内や充実した設備もそろっていますのでお金に余裕がある場合は都心の賃貸がおすすめです。
ライフライン
フィリピンのマニラを旅行したことがある方はライフラインが整っている国という印象があるかもしれませんが、観光業が盛んではない島や田舎へ行くと電気・ガス・水道は整っていないことの方が多いです。
さらに道も整備されていなくて砂利道だったりと何かと不便に感じることが多いです。
そのため電気が通っている田舎の土地では価格が少し高かったり、軽油を原料とする発電機で発電をしている島は電気代が高いなどデメリットもあります。
しかし水力発電を利用して発電している場所は他の地域の半額くらいの電気代なので、長く住み続けたいという方はそういった設備が整っている場所が良いでしょう。
水道については通っていることが一番ですが、上水道が整備されていない地域では水汲み場でポリタンクに水を詰めて家で利用しています。
他にも井戸を掘ったり、雨水を利用したりしていますのでそういった暮らしに耐えられないという方は田舎でもちゃんと物件を探すか、安心安全の都心をおすすめします。
しかし水道料金が無料になるため、光熱費を節約できるというメリットもあります。
日本は水道水を飲める国として有名ですが、フィリピンの場合は都会・田舎問わずペットボトルやタンクで販売されている飲料水を購入することになります。
情報社会となっている現在では電話やインターネットの普及率は非常に重要です。
かつてはインターネットが使える範囲がとても狭く、島に行くと携帯電話も圏外という事がありました。
今では田舎でも使用が可能ですが、一部では使えないところもあります。
インターネット回線に関しては都会のみで対応となっていて、地方はインターネット回線が引かれていないことの方が多いです。
田舎で生活を始める前にどの電話会社の電話線が来ているのか、電波は入るのかなど確認を忘れないようにしましょう。
病院
フィリピンに移住した際に必ず把握しておかなければならないのは病院事情です。
当然都心には大きな病院もあり、設備も整って医師も沢山います。
しかし地方へ行けば行くほど病院の規模は小さくなり、何か重大な病気を患ってしまったり療養・治療中の方にとっては死活問題になります。
田舎へ移住する際は自分の病気を治療できる病院が近くにあるのか、どういった治療を行ってくれるのかなど把握しましょう。
移住を考えている人の中には病気になったら日本へ戻って治療を行えばいいと思っている方がいますが、交通事故や不慮の事故など緊急性を問われる場合はどうするのでしょう?
もちろんそういった場合は一番近い病院へ運ばれ、治療が困難だと判断されれば都心の大きな病院へ移されます。
病気になった後のケアを考えるだけでなく、病気をどう治療していくかもフィリピンでは大切なことなのです。
重い病気のためにフィリピンから日本へ移動する際も医師や看護師が同伴したり、準備や交通費などで多額の費用を使ってしまうことにもなります。
また、フィリピンは日本のような健康保険制度がありません。
そのため医療費は非常に高額になり、必ず保険へ加入した方が良いと言われています。
少し難しいフィリピンの医療費事情についてわかりやすく簡潔に書いていきます。
フィリピンの医療費
フィリピンの医療費は非常に高額で、保険に加入していない場合は当然治療費全額を自己負担となりますが、フィリピンには民間の保険制度があり保険に加入していると保険加入時に定められた金額を負担するだけとなります。
よくクレジットカードに付帯している保険は使えるのかとの質問がありますが、クレジットカード付帯の海外旅行損害保険は移住に関しては対象になりません。
そのため、フィリピンへ移住する際は必ず保険への加入をおすすめします。
しかし最新の保険に新規加入しても医療費は全額を自己負担で一度払わなければいけませんのでまとまった金額が必要です。
診断書・領収証の提出など手間がかかりますが、返金されますので面倒でも手続きのために必要な書類は全て保管しておくようにしましょう。
また、他にも国民健康保険の任意継続が可能となっていますが、フィリピンの病院が発行する数点の書類を全て和訳し、日本の役所に提出しなければいけません。
どっちにしろとても面倒なのでそれなりの覚悟が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
今回はフィリピンの田舎への移住についてご紹介しました。
フィリピンでの生活は田舎・都会それぞれでメリット・デメリットがあり、フィリピンに住む前に現地の生活を知りたいのであれば旅行で訪れるだけでなく私生活を公開している個人ブログを参考にする方法もおすすめです。
こんなに違うのか!といろいろと驚かされることもきっと多いでしょう。
気になったらコメントを残しておけば返信をしてくれることもありますよ。
また、フィリピンで暮らす方の大半は仕事のために移住しているというのが実態で、気軽な気持ちで移住をしてしまうと失敗に終わることも考えられます。
田舎・都心それぞれを比べてどちらの暮らしが自分に合っているのかなどしかりと吟味してから移住を決断しましょう。